『家から離れよう』
一睡もせず夜を明かして
通勤電車に揺られていると
ふとこれまで思ってはいてもできていなかった決意が固まった。
電車にはスーツや私服姿の男女がひしめいて
スマートフォンを見つめたり
つり広告を眺めたりして
思い思いに目的地までの不毛な時間をやりすごしている。
『足があればどこにでも行ける』
『あの家に縛られたくない』
今思えば当時の原動力は『今やらないと二度と立ち直れないかもしれない』という焦燥感だった。
この朝を境に
私はまるで取り付かれたように
旦那との別居に向けて動き出した。
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