「嫁いできたのがみくさんじゃなかったらうちにだって今頃孫がいたはずなんだから」
「あなたが悪いとは言わないけれど、私たちにももうちょっと気を遣ったら?」
義父の食事を手伝っていると
旦那と夕食をとっていた姑が
食卓から「人生を悲観した」ような声色で話し始めた。
もともと姑が月に2度参加している
町内のイベントに行った話を聞いていたはずが
「〇〇さんは孫も連れてきていた」
「すごくかわいかった」
「あんな孫がいたら生きててよかったと私も思えたのかも」
という話に変わり
義父の食事を看ながらの状態で私が
「そうですよね」
「今はかわいい盛りですよね」と
生返事になってしまっていたことがスイッチとなったようだった。
フルタイムの仕事と並行して
32歳から始めた不妊治療は
40歳で私が精神的に不安定になったり
義父の本格的な介護が必要となったことをきっかけにやめていて
私たち夫婦の間に子供はいない。
「ここまで言わないと気づかないんだから」
といった感じでその場の静寂をものともせず
姑は私の返事を待つように食事をする手を取めて目をつぶっていた。
『今なにを言われたのか』
理解できずに硬直していると
いつまでたってもなにも言えずにいる私を見ていた旦那が渋々口を開いた。
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