その後旦那は貝のように口を閉ざしてしまった。
あきらかに顔色が悪くなっている旦那を見て
今の段階で話合いは無理だと判断した私は
「責めるつもりはないけど
明日の夜きちんと話をさせてほしい」
と伝えて写真をもって自室に戻った。
端的に言えば『浮気をされていた』ことになる。
離婚を考えていた自分にとっては
『有利な状況』になったはずなのに
自分でもなぜかわからないほど気持ちがぐったりと疲れて、その夜は泣きながら布団にうずくまっていた。
翌朝顔色が悪い旦那を送り出し
普段通り出勤準備をしていると
ソワソワとした様子で姑が「みくさん?」と話しかけてきた。
「昨日の写真のことなんだけど」
昨日写真を発見した際に一緒にいた姑は
旦那の『浮気現場』を固まって凝視していただけで
その後は何も言わなかったけれど
せわしなく私と旦那の様子をうかがっていた。
『さすがに姑にもショックだったのかもしれない』
そう思って
今日の夜話し合うつもりでいることを伝えようとすると
「あの子を責めないであげてね。」
私は口に出かけた言葉を飲み込み
「はい。」
と一言だけ返して家を後にした。
コメント